Vol.58　No.34　2022.6.14発行

6月5日は国連により定められた「世界環境デー」です。この日を中心とした6月は、日本における「環境月間」です。ロータリーでは6月は親睦活動月間ですが、本日は日本の環境について考えてみたいと思います。

ウクライナ侵攻により現在ロシアが経済制裁を受けているわけですが思いのほかこの厳しい制裁に耐えています。これはやはりロシアが資源国だからではないでしょうか。もし日本が同様な制裁を受けたらどうなるか・・1ヶ月も経たないうちに白旗を挙げそうな気がします。食料自給率37%、エネルギーに至っては12%の自給率にも満たないそんな国に我々は住んでいます。日本は世界の国々と仲良く暮らしていくしか生きる道は無いと考えるべきです。

また自然災害の脅威も抱えています。 いつ起こってもおかしくないと言われている南海トラフ巨大地震です。この地震が発生すると、東日本大震災の10倍を超える被害になると言われています。これは日本に致命傷を与える可能性もあります。自力で復興が出来ない状況に陥るのではないでしょうか。

身近なところでは地球温暖化による集中豪雨や巨大台風による災害。6月後半から7月の梅雨明け時期までの間、毎年と言っていいくらいに発生している土砂崩れや浸水による大きな災害。SDGs、カーボン0を旗印に取組んでいるとは言え、手遅れと感じている人もいると思います。そして6月4日の新聞には少子化の記事がありました。国の担い手となる人がどんどん減っている現実があります。こうした不安が少子化を冗長しているのかもしれません。

日本の「最悪な未来」を想像しておくことは大事なことだと思います。国に頼れない、誰にも頼れない、お金の価値もあるとは限らない。そうした中で唯一頼れるのは自分自身です。識者の言葉を借りると「英語とテクノロジーを身につけること、それが第一だ」と言います。唯一未来を明るくするテクノロジーの進化。それを知り活用できること、そして世界のどこでも生き抜けるよう語学を学ぶことだということです。

孫と一緒に暮らす私にとって、その子たちが過酷な未来を生き抜く力を身につける一助になれればいいなと思って過ごしています。皆さんはどの様な「未来予想図」を描いていますでしょうか。
 

・5/31　ヒューストンガバナーナイトinJAPANに出席

1、 ロータリーが歩んだ歴史

1905年2月23日

ポール・ハリス（弁護士）が友人3人（鉱山技師、石炭商、洋服商）とシカゴRCを設立。クラブの目的は、①会員間で信頼のおける公正な取引をして会員の事業上の利益を促進（互恵取引による会員の事業の発展）と、②会員同士の良き親睦の２つで、そこに奉仕の概念はなかった。

1906年12月

対外的な奉仕をすべきだという意思をもって入会した新会員ドナルド・カーターの考えに同調したポール・ハリスは、定款を変更し、クラブの目的に対社会的奉仕活動に関する項目を追加

1907年2月

ポール・ハリス　会長就任とともに、クラブ運営方針を抜本的に変更して、会員増強、拡大、社会奉仕の実践を提唱。

1907年

シカゴRCが公衆便所の開設に参加（最初の社会奉仕活動）1909年2箇所（市役所と公立図書館の近く）に公衆便所設置

1908年

アーサー・フレデリック・シェルドン（1868-1935）シカゴロータリークラブに入会。会長ポール・ハリス、シェルドンをいきなり情報拡大委員長に抜擢。シェルドンが自らのビジネススクールで生徒に教えていた核心の思想（He profits most who serves best　「最もよく奉仕する者　最も多く報いられる」）をクラブの奉仕理念に導入

1908年10月

ポール・ハリス、シェルドン、会長、委員長を辞任。クラブ内で、社会奉仕派と互恵親睦派とが対立。憂慮したチェスレー・ペリーは、当時米国に16あったクラブの連合体として全米ロータリークラブ連合会を結成して、その組織にポール・ハリスとシェルドンを迎え入れる。

1911年8月

第2回全米ロータリー・クラブ連合会年次大会のロータリー宣言の結語として「He profits most who serves best」が採択

1923年決議23-34

「Service above self」が並立する奉仕哲学として採択

1930年

シェルドン、ロータリークラブを退会

1948年

4つのテストが採択

????年

1業種1会員制の緩和

2010年

「One profits most who serves best」に改定

2020－2021年度

職業分類の意義の変質（喪失）。職業分類を理由とする入会制限は完全撤廃。職業分類と社会奉仕分類が並立し、どちらかで分類されればよく、職業人であることすら必要ない。

2、過去、１業種１会員とされていたことの根拠は？
従来の説明－親睦と互恵取引からの根拠付け
後付けと思われる説明－業界を代表した会員が職業倫理を業界に伝播浸透させる

３、奉仕をめぐる従来からの２項対立　1923年決議23-34で決着
「 I serve 」（ロータリークラブ） VS 「 We serve 」（ライオンズクラブ）
ロータリークラブは、奉仕活動をする団体ではなく、奉仕をする人間を育てる団体。奉仕は会員個人個人が行う。クラブの会計から社会奉仕活動そのものへ支出は不可→ニコボックスが生まれる。

４、日本における職業奉仕や例会への格別な思い入れ　日本へ受容されてのニュアンスの違い

Serviceの訳語

〈米国〉Done to help or benefit another or others　〈日本・西欧〉奉仕

職業

〈米国〉Occupatin（職業）　 〈日本・西欧〉Vocation（天職）

例会

〈米国〉親睦と討議の場　 〈日本・西欧〉親睦と人生道場（切磋琢磨）

５、4つのテストの成り立ち

考案者

ハーバード・テイラー（1954－55年度の国際ロータリー会長）

考案時期

1932年7月

目的

倒産した会社の再建を債権者団から任されたテイラーが再建にあたって従業員に対し、仕事をする上で求めた行為規範

内容

THE FOUR-WAY TEST Of the things we think,say or do:
1）Is it the TRUTH?
2）Is it FAIR to all concerned?
3）Will it build GOODWILL and BETTER FRIENDSHIPS?
4）Will it be BENEFICIAL to all concerned?

成果

会社の完全な再建

1948年　国際ロータリー　4つのテストを採択し、職業奉仕の行為準則となる。
　
６、親睦か奉仕か
　どちらかを上位と考え、優先させてはならない。「親睦と奉仕の調和の中にロータリーが宿る」（ポール・ハリス）

７、最近の国際ロータリーの向かう方向と日本のロータリーの伝統的志向との乖離
RIは、人道的慈善奉仕活動に邁進し、世界最大の人道的慈善奉仕団体を目指す
1985年　ポリオプラス・プログラムが開始　ビル＆メリンダ・ゲイツ財団とのパートナーシップ
国際ロータリー及びロータリー財団の肥大化（会員増強、財団寄付）と、官僚化

最後に、－なぜ、私はロータリーに在籍し続けているのか？－