Vol.58　No.31　2022.5.24発行

今日はロータリーの話題から離れ、暦の話をしたいと思います。5月5日の立夏も過ぎ暦の上では夏になるわけですが現在の二十四節気は太陽との位置関係で厳密に決まっていて、たとえば冬至は北半球では最も太陽の高度が下がり夜の時間が長くなる日です。地球の地軸が23.4度公転面垂直方向と傾いているためです。 では1月1日元旦と言う日はいったいどうしてこの日なのかと疑問に思ったことはありませんか。冬至と一緒な訳でもなければ、キリストの誕生日でもない。どうやって決めたんだろうと思いませんか。

現在の1月1日を説明するためにはなんと紀元前753年、王政ローマ時代までさかのぼる必要があるようです。王政ローマ建国者のロムルスが制定したロムルス歴が現在の暦の起源といわれます。 ロムルスは例えば冬が終わり春めいたある日を新年と決めそこを1月1日と決めます。そして10ヶ月が過ぎ、また冬が来ると1年が終わりとなります。現在の1、2月辺りの冬の時期は暦がありませんでした。農耕作業の無い時期には暦は必要なかったのでしょう。しかしそれは不都合だと、世代交代の後、国王ヌマがヌマ暦を制定し1年間の暦が出来ました。

その後は時の権力者の都合で新しく作った冬の月を1月としたり、閏月を入れたり入れなかったりしたため2ヶ月も太陽周期とずれ、秋に新年が来る事態となったため紀元前45年、ユリウス・カエサル(ジュリアスシーザー)がこれを一気に修正し、1年を365日、4年ごとに1日を足す閏年が出来ました。これがユリウス暦でこの時点の1月1日が現在の1月1日に近いと思われます。この暦はかなり正確で1600年以上も使われましたが、128年で1日ずれるため、1582年ローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス暦に換えて、太陽年との誤差を修正したグレゴリオ暦を制定し現在多くの国で使われています。

また9、10、11、12月がSeptember、October、November、December(7～10番目の月)と呼ばれていることも、2月がかつては1年の最後の月でここを閏年の調整に使ったことも暦の歴史を調べるとわかってきます。

結論としては1月1日は時の権力者によって変えられてきたと言ってもいいのではないでしょうか。いずれにしても諸説ありますので興味を持った方は自分で調べてみてください。